Mogicを味つけ -ブランディングメディア-

制作秘話

オリジナルにこだわる!"Mogicらしさ"のつまったマグカップづくり

2021.11.11

曼陀羅(まんだら)をご存知でしょうか?
密教から生まれた絵で、描くことで悟りを開くための修行になるらしいです。

私たちブランディングチームは、アートディレクションの世界を深めるため、ITとは別の分野に進出してモノづくりをしています。カレンダーもそうですし、ディスプレイもそのひとつです。いつも作っているときは、さながら曼陀羅を描くことで修行するように、新しいモノづくりに触れて、悟りを開こうともがいてるような気持ちになることがあります。

今年のノベルティとしてMogicオリジナルマグカップを作ったときも、私たちはきっと曼陀羅を描いてたんじゃないかなと思うのです。どんな曼陀羅を描いてたのか、ご紹介できればと思います。

始まりはいつも突然やってくる

Mogicでは、定期的にノベルティを作っては、パートナー企業様や従業員に感謝の気持ちとともにお届けしてきました。
昨年だと、エコバッグや水筒です。
既存の商品にMogicのロゴを名入れして作ったものです。
いろいろなものを作りつづけてきたこともあり、創作の欲求としてもっとオリジナルにこだわって作りたいという気持ちは確かにありました。

それでも、よし!グッズを手作りしようとなったのは、勢いで決まったことでもありました。
「いいアイデアがあればまずはやってみる」、というのがMogicの信条です。
まずはスモールステップでもいいから何か作ってみようとなりました。

ブランディングメンバーは女性だらけです。
それもインターン生をのぞくとみんな主婦。
しかもDIYとか園芸とか手作りとかが好きな主婦たちが集まっています。
それもあってか、みんな共通で器が好きでした。
好きなものならアイデアもこねやすい!とのことで、器で、さらに器の中でも贈りやすいマグカップを作ることになったのです。

陶芸作家さんとの出会いに助けられた

まずは、陶芸作家さんを探すにあたってSNSを中心に探し始めました。
SNSだと作品が見れるのはもちろん、人となりも感じられるのでいい出会いにつながりやすいように思いました。

Instagramをのぞいて鮮やかな色づかいに目をひいたのが、今回マグカップ作りをお願いすることになる「陶工房OKADA」の岡田勲さんでした。

突然ざっくり依頼したにも関わらず、「面白そうですね!ぜひ!」と快く引き受けてくれました。

コラボで生まれるものの楽しさは、その道のプロの背中に乗っかる楽しさだと思っています。

コンセプトを投げかけて、返ってくるもので力いっぱい遊んでみる。

そうすると、オーダメイドじゃできない、一期一会のモノづくりができると思うのです。

滋賀在住の岡田さんとは、顔を見てお話ししたのはオンラインでたったの一度きりでした。
でも、その一度の打ち合わせで岡田さんのモノづくりを体感し信頼を感じたことは、よく覚えています。
私は普段Webデザインを作っているので、岡田さんの表現の仕方が、プロダクトを作る人の表現だなと新鮮に思い、とても刺激を受けたのです。

なので、その一度の打ち合わせの中で、当初思い描いてたコンセプトは何倍にも膨らみ、一度社内で考えたアイデアを捨てて、岡田さんのアイデアを盛り込んだ新しいコンセプトのもとマグカップを作ることにしました。

完成まで道半ば、まだまだやることはたくさん

岡田さんに試作品を作ってもらっている間、社内のメンバーでは、贈り物の体験づくりをこねはじめてました。

「梱包はどうする?」

「開けたときに手にとってもらえる冊子も作ろう!」

「どんな冊子にする?」

「マグカップの写真もあった方がいいかな?」

などなど議論の山は高く積み上がってます。
マグカップはうまく進んでも、まだまだやることはあります。曼荼羅のゴールが遠くて見えません。(泣)

冊子作りは地獄への道だった

とりあえず、冊子を作り始めました。

なんとなくコンセプトみたいなものを決め、プロトタイプを作りはじめます。

作り始めの工程は、経験も積んで、だいぶこなれてきました。宿題も各々コツコツやってきます。

ちょっと話が変わりますが、私たちブランディングは、くいしんぼうとして、社内のみんなで食べるおいしいスイーツや食べ物を厳選する係でした。イベント管理部さんから依頼を受けておいしいものを調達するのですが、量より質な私たちは厳選するあまりギュッとおいしさが詰まった小さなお菓子ばかり注文してしまい、質より量派な人たちをがっかりさせるということが多々ありました。

そんなこともあり、いくつかのプロトタイプを経て、自分たちの代名詞みたいな「小さい世界」をテーマに冊子づくりを展開していくことになりました。

私たちのものづくりは、たいてい自分たちの身近なテーマや流行からアイデアを広げていくことが多いです。

でも、いざ作ってみると、文脈が伝わらないとか、Mogicらしさが足りないとなり、かといって単純にらしさを足すと何か情報が多くて押しつけがましくなってしまって、じゃあどうすればいいんだーー!という、オリジナルにこだわるからこそ生じる、モノづくりの地獄に落ち入ることになるのです。

これがいつも苦しいのです。

仏様の世界に近づきたいのに、気がつけば地獄入りしてました。

バラバラな視点をつなぐものはなんだろう?

困ったことはそれだけではありません。

メンバーは個性も働き方も好きな色も違う。マグカップを仕上げていく段階や、冊子を作り込んでいく段階など、広げたものを折りたたむ時は決まって、みんな見てる視点が少し違います。

一見するとバラバラな意見をどうまとめるか、ここも一つの地獄です。

ざっくばらんに出てきた意見をぜーんぶ広げて並べてみる、そこから選びとるときには、理由が必要です。

それは、メンバーも納得の上で前進したいからです。

そうやって選びとった方向性を、何度も何度も言語化していると、作るべきものがくっきり浮かび上がって見える瞬間があります。

一人だと言葉にしなくても感性だけで突き進めます。そうして仕上がったものを喜んでもらうことも、もちろんできます。

だけど、蛇のようにあっちへゆらゆら、こっちへゆらゆら、みんなと地獄をさまよって見えてきた一筋の光は、ようやくたどり着いたもので、達成感のかたまりです。

毎回、言語化を繰り返してるので、言葉は資産のようにチームにたまっていきます。だから次のモノづくりにも生かしていくことができるので、ちょっとずつ成長することができるのかもしれません。

ついにマグカップが手もとに

ひっそりと地獄に落ちる中、マグカップの第一陣が届きました!

質感といい、取手の色といい、思っていたものが形になって現れると感動ましましです。

「喜んでもらえるかな?いや、喜んでもらいたい!冊子も頑張るぞー」と、ここで一気にやる気パワーがみなぎり、地獄からの生還を誓います。

地獄のピークのあとは作るのみ!

さて、荒々しかったみんなの意見が一つのアイデアにまとまると、地獄はピークをすぎ、あとは帰路の道となります。ここからはチームで分担して最短で帰れる道を探します。

当初、冊子の撮影はお世話になってるカメラマンの竹花さんにお願いする予定でした。

竹花さんは、私たちが撮りたい世界観を一緒になって楽しんでくれ、いろいろ提案や小道具のアドバイスをしてくれました。ここでもコラボレーションする方に助けられています。

しかし、当時はコロナの感染拡大が日増しに悪化していた頃。竹花さんを迎えての撮影はやむなく断念することとなりました。

それでも竹花さんのアドバイスのおかげもあり、あとちょっとのところまできてたので、広報のうぉんじまさんが勢いで撮影を乗りきってくれました!初めてのミニチュア撮影は、面白さとドキドキが半々でした。

無事にお届け完了!反響がぞくぞくと

マグカップも注文数すべて届き、冊子も無事に仕上がりました。
梱包も社内の協力を得て無事に終わり、何とかお届けすることができました。

社内に届いたマグカップへの反響は、即座にブランディングメンバーへとフィードバックされます。
喜びの声や感想を直接聞くことができるのは、とてもありがたいことです。

また喜んでもらえるようなものを、そして感想が言いたくなるようなものを作るぞと、次に作るものへのモチベーションにつながります。

実際に「今年のカレンダーも楽しみにしていますね」とか、「もうすぐ年末なので次はカレンダーですね」というお言葉もいただいたみたいです。

カレンダー…。

はい、そうですね。ただいま絶賛カレンダーのアイデア出しで苦しんでいるところです。

曼陀羅はまだ描き終わりそうにありません。
引き続き地獄で苦しみながら、ちょっとずつ完成に近づけていこうと思う今日この頃です。

おまけのマグカップギャラリー