Mogicを味つけ -ブランディングメディア-

制作秘話

爆走!ディスプレイ24時-怒涛の動く七夕の世界編

2022.08.31

ブランディングプロジェクトに参加している うぉんじまです。

練馬区石神井公園にあるIT企業のMogicでは、オフィス前の通りを歩いている人にも楽しんでもらえたら……と、ほぼ毎月ディスプレイを更新しています。本格的に力を入れ始めた2020年から早2年。今回初めて、動くディスプレイに挑戦することになりました!

エンジニアのYさんを何とか巻き込むも、課題が山積みでたくさんの壁にぶち当たり……

ドタバタの舞台裏をエンジニアのYさんのコメントも交えつつ、ご紹介したいと思います。

とにかく毎年同じことはやってはいけない!という掟

1年の最初にディスプレイの年間計画を妄想しましたが、当然のごとく「去年と同じはNGだよね」とディスプレイの厳しい掟を再確認しました。

という訳で、七夕だったら、笹を出して短冊を買って、みんなに書いてもらって……去年のディスプレイで使った天の川を出せば……なんて生ぬるいことは通用しません!ひょんなことからペーパークラフトのパンダが購入され、みんなで手分けして切り貼りして作ってみたり、普通の短冊じゃつまらないと苦しまぎれにパンダ形の短冊をつくってみたり。

今年の大きなテーマとして、「ディスプレイもSDGS的な要素を取り入れよう」とか、「ディスプレイを動かしたい!」という話もあり、妄想をふくらませつつ、動くディスプレイをやるなら七夕がいいなと考えていました。

妄想の種が生まれたのは、課題図書との出会いから

▼ティンカリングをはじめよう
https://www.oreilly.co.jp/books/9784873117263/

ある日のブランディング定例で「ティンカリングをはじめよう」という本が紹介されました。ものすごく簡単に言うと、ティンカリングとは、実際のものを分解したり、組み合わせたりして目的に合わせて作り変える技術らしいのですが、こんな世界があるのかー!と新たな視点を入れてくれる本に出会いました。そこで、動きの妄想の種が生まれた気がします。

動くディスプレイに一体何が必要なんだろう?

種が思いついてからも、どんな世界に落とし込むのかという試行錯誤が続きました。見てくれた人にどんな気持ちになってほしいか、どんな表現が実現可能なんだろうかを考え続けました。妄想をイメージ図として描きだして、こんなことがしたい、あんなことをしたい、どんな風に実現していけるのかを探っていきました。そこで、思いついたのが離れ離れの織姫と彦星が少しずつ近づいて愛の時間を過ごし、別れを経てまた近づいて……を繰り返す動く影絵でした。

ディスプレイにエンジニアを巻き込むという困難さ

ディスプレイの影絵や表の電飾のハートの部分は、何とか作れるとしても、動きをどうするのか……となったときに、必要なことはエンジニアの力を借りることです。去年もディスプレイにエンジニアを巻き込もうとして失敗していた経験がありました。

失敗から学んだこととして

①余裕をもって依頼すること
②エンジニアにやってほしいことを明確に伝えること

この2点を意識しつつ、ドキドキしながら巻き込んでいきました。とはいっても、ディスプレイにも興味がなさそうなエンジニアを巻き込むことは簡単ではありません。あの手この手で距離を縮めつつ、やりたいことを一生懸命伝えていきました。

イメージの試行錯誤は続くよ、どこまでも

妄想を広げたり縮めたり、実際にパーツを購入してテストを重ねていっても、想像通りうまくいかないこともいろいろありました。テストと議論を重ねて、やれることをしぼって整理して、エンジニアのYさんとも何度もテストを重ねていきました。途中、興味がなさそうだし、本業のエンジニアとしての仕事も忙しそうだし、やりたくないんだろうなーなど心が削れそうな場面もありましたが、勇気を振り絞ってイメージを伝え続け、最終形態に近づいていきました。その頃になると、できるかもしれないとだんだんワクワクしてきました!

エンジニアYさんに、直撃!ほんとのところはどうだった?

ここで、エンジニアYさんにもコメントをいただこうと思います。

ー3/23のブランディング定例で初めて七夕のディスプレイで、影絵+動きでやりたいと話がでてきていたのですが、最初にディスプレイに参加してほしいと言われたとき、どう思いましたか?

Yさん:めんどい……と内心思いましたが(笑)、久々に電子工作系のことができると思ったので、結構ワクワクしてました。

ーめんどい……というのだけが、ひしひしと伝わってきていました(笑)。その後、妄想を度々ぶつけられたと思いますが、妄想に対してどう進めていましたか?

Yさん:ぼやぼやした妄想が多かったので、具体的にどう形にしていくかブラッシュアップしていました。制作側の試行錯誤としては、織姫彦星の直線運動の機構をどうするかや、モーターは何を使うか、バックライトの操作はどうする?などなどあり、当時のエンジニアインターンに相談したり、基礎知識を再学習したりなど一つ一つ模索しながら進めていました。

ーぼやぼやした妄想……実際にこの制作に関わってみてどうでしたか?

Yさん:やることはシンプルだったのですが、実際に制作してみて思い通りに動かない部分が多々あってやりがいがありました。

ーやりがいを感じていたとは思ってもいませんでした!具体的に動かすというところで、どんなことをしていたのですか?

Yさん:Mogicにラズベリーパイがあったので、基本的にそのGPIOで操作しました。影絵が移動する部分は、サーボモータと影絵を繋いで実装し、影絵に照射するバックライトはSSRを利用して制御しました。

ー一番難しかったところは、どこですか?

Yさん:やることはシンプルで、特段難しいといったところはなかったのですが、はんだ付けした部分で上手くくっついていない箇所があったので、その導通チェックに時間がかかりました。

ーもし、あればですが……一番楽しかったところは、何ですか?

Yさん:ラズベリーパイに記述したプログラムから、実際の物体を動かすところが感動もあって一番楽しかったところです。

できた!と思ったのも束の間、ディスプレイが崩れるという地獄

1Fのディスプレイが、通りに面したガラス張りの内側にあり、特に昼間は光の反射で見えづらいという難題があります。稼働時間を8〜22時に設定し、10分に1回出会って1分愛の時間(その間は後ろから照明が点灯)、その後消灯してから別れるというプログラミングだったので、結構昼間の時間も動いていたのです。組んだ時間通りに照明が点灯し、織姫と彦星がじわじわと近づいていきます。最接近時でも、微妙な距離感がある2人でしたが(笑)無事に動いたときは、心底嬉しかったです!あー、妄想が形になったーと大喜びでした。……

と、喜んで帰り休み明けに出勤すると、光をさえぎるために囲ったダンボールが崩れて……という事故が勃発していたそうで!!それを見たメンバーが崩れない形で光をさえぎるしかけを作ってくれていました!ありがとうございました!!

……といつも時間に追われ、妄想を1つ1つ形にするむずかしさ、どう進めればいいのかわからなくなってギブアップしそうになる瞬間、ブランディングのメンバーに相談したり……など苦しい場面はいくらでもありますが、限られた時間や予算の中でとにかく最善を尽くす。そして、出来上がって、ディスプレイをを見てくれる人や何かしらの反響があると、少しだけ報われて、がんばってよかったなーとまた次のディスプレイを妄想し始めます。毎回、あわあわジタバタしながら妄想を暴走させています!